2020年7月26日 神の言葉は純化された銀

 主のことばは混じり気のないことば。土の炉で七度試され純化された銀。

主よ、あなたは彼らを守られます。今の代からとこしえまでも彼らを保たれます。 詩篇12:6、7(1〜8)

 ユダ王国の滅亡時の預言者は、「正しいのは、主よ、あなたです。それでも、わたしはあなたと争い、

裁きについて論じたい。

なぜ、神に逆らう者の道は栄え、欺く者は皆、安穏に過ごしているのですか。」(エレミヤ12:1)と神に訴えている。

正義の神がおられるのに、悪を働く者たちが栄え、義を求め神に忠たらんとする者が苦しむのはなぜか、

という問いと訴えは、聖書に幾度も登場し、イエスも、世におられた時を「姦淫と罪の時代」(マルコ8:38)

と言っておられた。

 《偽りの横行する現状だが》 詩人は、彼の置かれた世情を、「敬虔な人は後を絶ち誠実な人は人の子らの中から

消え去りました。

人は互いにむなしいことを話しへつらいの唇と二心で話します」(1~2節)と、神に訴える。

偽りだらけの不敬虔なことばがまかり通り、聞こえてくるのはごまかしごとだけである。

もはや質実剛健な聖徒らしい聖徒や、誠実で犠牲を恐れず真実を語る人は後を絶ち、消え去って見当たらない。

「互いにむなしいことを話しへつらいの唇と二心で話」す「へつらいの唇と傲慢の舌」の

言葉だけが聞こえてくると、詩人は嘆く(2~3節)。

「二心」は同じことでも相手次第で別のことを言い、「へつらいの唇」とは、相手の機嫌を取る中身のない

お世辞であり、「傲慢の舌」とはその反対に相手を見下した横柄で理不尽な言葉を指す。

真実の自分を貫かず、相手によって横柄な態度と卑屈な姿勢の使い分けをする。

権力と忖度の世界、それは罪人である人間の世界にいつも起こるもので、今も変わらない。

本来、ことばと口が人に与えられたのは、神との交わりと人間相互の交わり、支え合いのためである。

パウロは「悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。むしろ、必要なときに、人の成長に役立つ

ことばを語り、聞く人に恵みを与え」るためと記している(エペソ4:29)。

ところが、詩人の直面した人々は、「神、我らと共に」ではなく、「我らの舌、我らと共に(舌で勝利する)」を、

彼らのモットーとし、偽りの舌や唇を用いて、「われらはこの舌で勝つことができる。

この唇はわれらのものだ。だれがわれらの主人なのか」(4節)とうそぶく。

彼らは、審判者の神を畏れず、聞き従うべき主とも認めない。

 《主は立ち上がられる》 このような尊大不遜な態度と不正な行いが横行する世を、神は放置したままには

決してなさらない。

神は「弱い者を塵の中から立ち上がらせ、貧しい者を芥の中から高く上げ、高貴な者と共に座に着かせ、

栄光の座を嗣業としてお与えになる。

大地のもろもろの柱は主のもの、主は世界をそれらの上に据えられた」(Ⅰサムエル2:8)とあるように、

世界の真の統治者は神である。

神は約束の言葉を決して反故にはなさらない。

それは「混じり気のないことば」、「土の炉で七度試され純化された銀」のように堅固で不変の拠り所である(6節)。

世を操っていることばは、不純で出まかせの、時と相手次第でコロコロと変わる。人も世も移り行くが、

神の語られたことばは、活動続ける。「草は枯れ、花はしぼむが、わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ」(イザヤ40:8)。

その約束のことば通り、「苦しむ人が踏みにじられ貧しい人が嘆くから、今わたしは立ち上がる。

わたしは彼をその求める救いに入れよう」(5節)と、助けを求める者たちに御顔を向け、彼らのために働かれる。

「今や、わたしは身を起こすと主は言われる。今や、わたしは立ち上がり、今や、自らを高くする」(イザヤ33:10)。

神の確かで恵み豊かなおことばに信頼しよう(詩篇19:7~10)。

 《神を信頼して今の世を》 確かに詩人は、不信仰の支配する社会にある心細さと、神にも見放されて

いるのではという不安の中で度を失って「主よ お救いください」(1節)と悲鳴を上げた。

だが、今は「主よ、あなたは彼らを守られます。

今の代からとこしえまでも彼らを保たれます」(7節)と確信した。

そして新たな目で、「人の子の間で卑しいことがあがめられているときには悪しき者がいたるところで

横行します」(8節)という現実を冷静に見定める。

もはや以前のように恐怖しない。

「罪人が、百度悪事を犯しても、長生きしている。

しかし私は、神を恐れる者も、神を敬って、しあわせであることを知っている」(伝道者の書8:12)と宣言する。

「この天地は滅びます。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。」(マルコ13:31)

と主イエスも言われた。